こんにちは、おでかけわんこ部編集長のけいです。
「ドッグフレンドリーな街」と聞いて、多くの人がまず思い浮かべるのが軽井沢。

その理由は、犬に優しい環境やサービスが充実していることにあります。そのため、多くの犬連れ観光客が訪れ、愛犬と一緒にリゾート気分を楽しめる街として確立されています。
しかし、これが自然に生まれたわけではありません。
そこには、軽井沢ドッグツーリズム推進プロジェクトをはじめとする自治体・観光協会・地域の事業者による「共通の想いに基づく具体的な取り組み」がありました。
今回は、「軽井沢ドッグツーリズム推進プロジェクト」について、プロジェクト担当者の方にお話をお伺いしました。
素敵な取り組みを知ることで、愛犬と過ごす軽井沢がまた少し違う景色にアップデートされるかもしれません。
ぜひ軽井沢の自然をイメージしながら読んでくくださいね。
プロジェクト立ち上げの背景:「共感」をベースにした街づくり

ーーこのプロジェクトはいつから始まったのでしょうか?
2014年に軽井沢観光協会長の呼びかけでスタート。
まずは「ペットツーリズムの魅力と推進方策」という講演会を開催し、大勢の事業者さんが集まりました。
様々な方面からメンバーを集め、2016年より当プロジェクトが始まりました。
ーーこのプロジェクトに込められた想いとは?
プロジェクトのスローガンは『人と犬が健康で楽しく幸せに暮らせる町・軽井沢』です。
私たちは単なる観光施策ではなく、軽井沢全体で“犬と人が共に快適に暮らせる社会”を築いていきたいと考えています。軽井沢独自のルールや基準を設け、「軽井沢らしいドッグツーリズム」のブランディングを行うことが必要と考えました。プロジェクトは、犬の習性やドッグツーリズムの知識の普及、施設の整備、受け入れガイドラインやマニュアルの策定などを通じて、愛犬と訪れる旅行者の利便性を向上させ、持続可能なドッグツーリズムの発展に貢献することを目的としています。
ただ、プロジェクトを表層的なものにしたいために、そして愛犬家たちだけの活動で終わらないように「社会全体の共感」をベースにしていかなければいけないというのが当初からの共通の認識です。
ーー社会全体の共感とは具体的にどういうことでしょうか?
私たちは、以下の3つの柱を軸に活動を進めています。
<3つの0%活動>
捨て犬0%・殺処分0%・ワクチン未接種0%
<マナー啓発活動>
マナーアップの推進・しつけの重要性の発信・子供への動物愛護教育の推進
<自然環境への配慮>
自然環境の保全・野生動物との共生
ーー社会全体の共感はとっても重要ですね。ではどのような活動をされているのでしょうか?
軽井沢ドッグツーリズム推進プロジェクトでは、飼い主さんに向けて、そして事業者さんに向けて、そして地域全体に向けて様々な取り組みをおこなっております。
ーー具体的に飼い主向けにはどのような取り組みを行っていますか?
愛犬と軽井沢を訪れる飼い主さんにとって、安心して楽しめる環境を提供することが大切です。そのため、情報発信やマナー啓発に力を入れています。
- ドッグツーリズムマップ「軽井沢MAP with DOG」作成・配布(年1回更新)

- 愛犬と一緒に楽しめるスポットを掲載し、観光客の利便性を向上。
- マナー啓発の内容も盛り込み、犬連れ観光客の意識向上を促進。
- 発行部数は3万部、無料配布。(掲載店舗などに設置)
- メディアを活用した情報発信
- SNSやWebコンテンツを通じて、飼い主に役立つ情報を発信。
- 軽井沢のペットフレンドリーな施設やイベント情報を随時更新。
- マナー啓発活動
- マナーアップの推進やしつけの重要性を発信。
軽井沢withdog WEBサイト
軽井沢withdog公式インスタグラム
ーー事業者向けにはどのようなサポートをしていますか?
犬連れ観光を受け入れる施設や事業者が、適切な環境を整えられるようにサポートを行っています。
- 事業者向けの講演会やワークショップ、飼主とのコミュニケーションを目的としたマナーアップキャンペーン
今後も、災害時の避難対応や自然環境の保全、野生動物との共生等、広い範囲で事業者向けの研修などを検討されているとのこと
ーー地域全体での取り組みとして、どのようなことを行っていますか?
賛同店舗・施設を観光客や住民が識別でき、軽井沢町としての取り組みを顕在化するためエリア全体での「ワンちゃん同伴ルールの共通化」しています。
シンボルロゴマークのステッカーはプロジェクトに参加している全ての施設に目印としてステッカーを貼っています。この目印のあるお店や観光施設は「ワンちゃん同伴歓迎」の施設です。またピクトグラムに関しては、これまでそれぞれのお店や施設が独自に表示していたワンちゃん同伴ルールを、本プロジェクトの参加店舗が同じデザインで共有し、より楽しくわかりやすいメッセージにしました。



ーー今後のプロジェクトの展望を教えてください

私たちの活動を未来につなげていくために、軽井沢オリジナルのルールや基準を明文化した『軽井沢ドッグツーリズム憲章』の制定を予定しています。そして軽井沢が日本の犬文化向上の先進地域となることを目指しています!
まとめ〜おでかけわんこ部編集長 取材後記

写真は軽井沢での取材中に出会ったワンちゃんたち。みんなとってもお利口に並んで撮影させてくれました。
軽井沢が「ドッグフレンドリーな街」として広く知られる背景には、飼い主・事業者・地域が一体となり、犬と人が心地よく共生できる環境を築いてきた努力があります。
「dog as family(犬も家族の一員)」の理念のもと、単なる観光施策ではなく、犬と人が共に幸せに暮らせる社会を目指した街づくり。その想いが、軽井沢の特別な魅力として息づいています。
愛犬と過ごす時間は、かけがえのない宝物。そんな特別なひとときを、軽井沢という街がそっと包み込んでくれる――。だからこそ、多くの愛犬家がここに集まり、また訪れたくなるのではないでしょうか。
この取り組みがさらに広がり、日本中に「犬と人が共に生きる幸せな未来」が築かれることを願って。
軽井沢ドッグツーリズム推進プロジェクトのこれからの挑戦も継続して取材を続けたいと思います。