こんにちは、おでかけわんこ部です!
今回はドッグフレンドリー(ペットフレンドリー)オフィスの特集企画です♪
毎日の暮らしの中でほとんどの時間を過ごすオフィス。最近ではリモート・在宅勤務の方が増えてきたものの、日本ではまだまだオフィスに出勤するスタイルの飼い主さんが多数派かと思います。
「愛犬をオフィスに連れて行ければもっと一緒に居られるのに・・・」
「介護や投薬が必要な愛犬のためにリモートでできる職種に転職をした」
という飼い主さんも多いのでは無いでしょうか?
そんな中でペット同伴可のオフィスが日本でも徐々に増えてきているということで今回は実際にペット同伴OKの日本企業2社を現地取材してきました。
取材をする中で見えてきた、ドッグフレンドリーオフィスのメリットと課題について紹介していきたいと思います。
ドッグ(ペット)フレンドリーオフィスが日本でも増えてきた!
海外ではメジャなーなドッグフレンドリーオフィス
日本ではまだまだペット同伴可のオフィスは少ないですが、海外では多くの企業がペット同伴を受け入れています。
例えばAmazon社の米国シアトルにある本社では、6,000匹の犬がスタッフと同伴出勤しているそうですよ!
Amazon社のペット同伴制度の紹介ビデオだよ!
何と屋上にドッグランまであって、スタッフも愛犬も本当に楽しそうに働いているのが伝わってきます。
米Amazon社に出勤する愛犬は従業員としての位置付けでもあり、amazonの404エラーページにはスタッフの愛犬が登場し癒しを与えてくれています。(しかも更新するといろんなわんこが出てくるんですよ)
Amazon社の他にも、Google社やクラウドアプリケーション等を開発するSalesforce社、民泊情報サイトのAirbnb社などもドッグフレンドリーオフィスを導入しています。
オフィスにペットがいることで生産性が向上?
「犬がオフィスにいて集中できるのかな?」
と思う方も多いと思います
世界最大の動物病院チェーン・バンフィールドペット病院の調査の結果からは、犬やペットがオフィスにいることで「従業員の意欲が高まる」「幸福感が高まる」「ストレスが低減する」「職場の人間関係を良好にする」「離職率が低下する」などペットの存在が癒しだけでなくビジネスの観点からも一定の効果をもたらすことが分かります。(https://www.banfield.com/about-banfield/newsroom/press-releases)
職場にペットがいることで会話が増えるのは確かにありそうだね!
日本でも徐々に増えてきたペットフレンドリーオフィス
このような背景の中で日本でもドッグフレンドリーオフィスを導入する企業が少しずつ増えつつあります。
例えばマース ジャパン リミテッド。アメリカ合衆国の食料品会社マースの日本法人として、ペットフード、スナック菓子、飲料などの輸入・販売を行うマース ジャパン リミテッドは予約制で愛犬・愛猫をオフィスに連れて来ることが可能とのこと。
あなたのオフィスはペット同伴可?アンケート実施
おでかけわんこ部のInstagramフォロワー様に向けたアンケートの結果を見ると、「今のオフィスがペット同伴可」は34人、「ペット同伴NG」は259人、「在宅勤務」は51人、「その他」は32人という結果でした。
一方で「もしもオフィスがペット同伴可であれば愛犬を連れていきたいですか?」の質問に対し「連れていきたい」が486人、「条件が合えば連れていきたい」が157人と圧倒的に多い結果でした。
このことからも日本においても多くの飼い主さんにとってドッグフレンドリーオフィス導入への希望は高まっていると推測できます。
ただ一方で「動物が苦手な人への配慮」「アレルギーの問題」「粗相やしつけの問題」などの問題を忘れてはいけないのも事実です。
そして一番大切にしないといけないのが「ペットへのストレスはないか?」についてです。
今回は日本企業でペットフレンドリーオフィスを導入している2社を取材し、どのような体制で導入しているのか?ペット同伴可オフィスのメリットや見えてきた課題などについても紹介したいと思います。
現地取材してきました
株式会社バイオフィリア
まず取材に伺ったのはフレッシュペットフード「ココグルメ」でお馴染みの株式会社バイオフィリア。
担当の松村さんに取材をさせていただきました!
松村さん、宜しくお願いします!
2023.7.6追記
ココグルメさんの公式Twitterにて岩橋代表のいぬ吸い写真がバズりました。その裏側と、中のスタッフさん目線でのペットフレンドリーオフィスについて書かれたnoteがこちら
【愛犬と同伴出社できるバイオフィリア】社長のいぬ吸い写真のツイッター投稿でバズる!
■2022年3月に新オフィスに移転!猫も出勤中
ー新オフィス移転の理由は?
松村さん:移転前のオフィスでは犬の同伴出社が中心だったとのことで「猫も出社できるようにすべきでは」という声に応え、より広く多様性のあるペットフレンドリーオフィスとして東京都・目黒区に2022年3月に新オフィスを拡大移転しました!
ースタッフさんと一緒に出勤しているペットの数は?
松村さん:最大で犬が13匹、猫が13匹です。
新オフィスのコンセプトは「ペットも働く人も幸せ」。
至る所で「ペットへの配慮が見られるオフィス」になっていました。
■ペットへの配慮
(1)関節に優しいクッションフロア&タイルカーペットで自由に動ける
まず目を引いたのはオフィスの真ん中に敷き詰められたカーペットタイル。そして床もクッション性のあるものを使用しているため関節への負担を軽減しています。
(2)机の下がスッキリ!コードをなくして動き回っても安心
そしてオフィスだとどうしても多くなるコード類。パソコンなどのコードを愛犬がカミカミしてしまったら・・・!考えただけでもとっても危険ですよね。
株式会社バイオフィリアの新オフィスの工夫としてコードを全て机の裏に収納し、足元は愛犬が安心して自由に動き回れるようになっています。
(3)安心できる居場所やぐっすり眠れるお気に入りの場所がある
そしてとっても大切な「ペットにとって安心できる居場所」への配慮です。
それぞれのペットの特性に合わせて甘えん坊の子には飼い主さんの隣にベッドが用意されていたり、自由に動き回る子用にヨギボーのクッションや少し離れたところに設置されたベッドなど工夫がされていました。
そして猫ちゃん用のキャットタワーもありました。
(4)新鮮なお水やトイレなど衛生面への配慮も
長時間オフィスで過ごす際に心配なトイレ。多くのわんちゃんはスタッフさんの休憩時間にオフィスの外にお散歩がてらトイレを済ませることが多いとのことでしたが、いざというときにトイレセットがあるのは安心ですね。
そして新鮮なお水がいつでも飲める工夫もありました。
気になる匂いも全くしませんでした!
■ペットフレンドリーオフィスのメリットや課題は?
ーペットがいるオフィスでのメリットや良かった点は?
松村さん:スタッフ同士の会話も自然と増えますしコミュニケーションが活発になります。また一緒に過ごすことで犬や猫の特性なども知れて勉強になりますね。弊社のサービスであるフレッシュペットフードの「ココグルメ」(犬用)や「ミャオグルメ」(猫用)の商品開発の試食にも協力してくれたりとスタッフ犬猫としても活躍してくれています!あと、ペットによっては社会化にも役立っていると思います。パピーのえだまめちゃんは大人の階段を登り中です◎
ー「これは困った」という点や課題などはありますか?
松村さん:はい、例えばエレベーターを降りてからのオフィスの入り口ドアに柵がなく安全対策や急な来客への配慮のため開閉式の柵を設置しようと思っています。他にも課題が見つかれば随時スタッフ同士で意見を出し合いどんどん改良していきたいと思っています。
ーペット同伴のスタッフさんの交通機関は?
松村さん:電車でくるスタッフが多いですね。頭まですっぽり隠れるリュックに入れて通勤しています。出勤時間がずらせるので混雑時は避けるなどの工夫をしています。
■ペットフレンドリーな福利厚生制度も
ーペットに関する福利厚生もあると聞きましたが?どんなものがありますか?
松村さん:はい色々あります。「うちの子忌引き制度」はペットが亡くなった場合遡って亡くなる前日から特別休暇を取得できる制度です。代表の岩橋の「愛犬を亡くしたとき、もっとしっかり看病をして看取ってあげれば良かったという後悔が残った」という原体験から導入された制度です。他にも「うちの子扶養手当」はペットと一緒に暮らしている社員に対し、1匹につき月2000円の扶養手当を付与します。さらに保護施設などから引き取った場合は3000円を上乗せして支給する制度です。
他にも、愛犬や愛猫の体調が悪い時など自宅で様子を見たり、動物病院にも連れて行きやすいよう出社とリモートワークのハイブリッドを推奨していたりなど、とにかくペットと人に優しい会社です。
ーペットを家族として受け入れてくれる素敵な社風ですね
松村さん:そうですね、とにかく代表の岩橋が動物が好きすぎるんです。「あれ、いないな〜」と思ったらオフィスの真ん中で寝転がって社員犬と戯れていることも多いです笑。
株式会社バイオフィリアのスタッフの皆様、松村さん、ありがとうございました!
株式会社フリーステッチ
次に取材に伺ったのは「より豊かな暮らしを愛犬と!」を合言葉にドッググッズブランド”free stitch”の製造や販売を展開している株式会社フリーステッチです。
担当の山本さんにに取材をさせていただきました!
山本さん、、宜しくお願いします!
■社長やスタッフも犬を飼っており自然な形で
ーどういった経緯でペット同伴可のオフィスになったのでしょうか?
山本さん:社長や他の社員もペットを飼っていて、連れてきた方が和むかな?というのがきっかけです。
ースタッフさんと一緒に出勤しているペットの数は?
山本さん:最大で犬が9匹、猫が2匹です。(猫は現状連れてきてOKではあるが、ルール化に向けて検討中です)
株式会社フリーステッチのオフィスに入ってまず驚いたポイントは大型犬のワンちゃんも2頭いたところです。
机の間を優しい眼差しでウロウロする様子がたまらなく可愛かったです!
■free stitchのスタイリッシュなグッズがオフィスの至る所に
free stitchといえば、こだわりの素材や機能性も抜群ながら、シンプルでスタイリッシュなデザインなドッググッズでファンが多いブランド。
SNSでもよく見かけるおしゃれなドッグサークルやスクエアベッドがオフィスで実際に愛用されていました。
ドッグサークルはオフィスの広さに合わせてコンパクトにして設置されていました
実際に自社のブランドのグッズを愛用することで気づくポイントや今後の商品開発にも役に立ちそうですね!
ー割とフリーにしている子が多いですがペットが落ち着ける場所などの工夫はありますか?
山本さん:みんなフリーにしていても結局飼い主さんの足元が好きで足元のベッドで寝てくれる子たちです。なのでフリーであることが落ち着ける状況というかたちになります。ただやはりフリーだと落ち着かない子もいるので、その場合は、弊社オリジナルサークルや、まわりが見えにくいケージなども用意しています。管理スタッフ判断のもと、それぞれに合った過ごし方を提案するようにしています。それぞれのしつけレベルやワンちゃんの性格を見極め判断をしているという点が、弊社のこだわりにもなっています。
■ペットフレンドリーオフィスのメリットや課題は?
ーペットがいるオフィスでのメリットや良かった点は?
山本さん:はい色々ありますがやはりペットと離れずに一緒に過ごせるため「投薬中など対応ができる 」「お留守番ストレスの軽減 」「体調が不安定なときに対応できる 」といったメリットがあります。また、癒し効果やスタッフ間のコミュニケーションが円滑になるといったメリットもありますね。
ー来客時にも会話のきっかけになりますね
山本さん:そうですね「犬種は?お名前は?」といった形で社外の方とも会話のきっかけになってくれます◎
株式会社フリーステッチのオフィスの1階はfree stitchのショールームになっており、予約制でビジネスの商談はもちろん一般のお客様も実際に商品を見にくるとのこと。
そんな時に会話のきっかけを生んでくれるのはとってもありがたい存在ですね◎
ー「これは困った」という点や課題などはありますか?
山本さん:衛生面の問題 や安全面の問題・しつけの問題などがあります。あと通勤手段ですかね。大きいワンコだとやはり車がないと同伴ができませんので。
衛生面での問題については必要なわんこにはマナーパンツを着用してもらい対策をされているとのこと。また安全面の問題にはゲートやサークルを使用して対策をされているとのことでした。
■ドッグフレンドリーオフィス化をサポートするプロジェクト始動中
株式会社フリーステッチでは2019年9月から”より豊かな職場を愛犬と”を合言葉に“Dog Friendly Office Project(ドッグフレンドリーオフィスプロジェクト)を始動しています。
プロジェクトの活動内容としては、実際にご自身の会社を”Dog Friendly Office”にしてみたい!という会社向けに最適なオフィス環境を提案してくれるといったものです。
自分の会社もドッグフレンドリーオフィスにしたいけど「何から始めればいいかわからない」「何に注意すればいいかわからない」といった方におすすめですね!
ーDog Friendly Office Project についてどのような御社の想いがあるのでしょうか?
山本さん:“Dog Friendly Office Project”では”より豊かな職場を愛犬と!”をコンセプトにペットを飼育しながら働くスタッフの為に働きやすい環境を整えることで、従業員の業務の質の向上につなげると共にペットのQOLの向上にもなるのではないかと考え活動しております。
ペット業界のスペシャリストや各業界の方々のご意見を元に問題点をクリアにし、ペットを飼っている働くオーナー様をサポートできるようサービスやグッズも含め「こんな会社・社会があったら素敵だな」というオフィス作りを目指すと共に、そういった会社が増えるためのサポートをしていきたいという思いで活動しております。
ー導入サポート企業は現在も募集中ですか?
山本さん:はい絶賛募集中です!ぜひお問い合わせください。お問い合わせはこちら
まとめ
ドッグフレンドリーオフィスの取材記事でした!
取材をして感じたことをまとめると
・一緒に過ごす時間が増えて幸せ(留守番中の愛犬を心配しなくていい)
・介護や投薬が必要な愛犬の様子を見ながら仕事ができる
・職場の癒しになり会話が生まれコミュニケーションが活発になる
・ペットの社会化に繋がる
・ペットにってストレスのない環境づくり
・動物アレルギーや動物が苦手な人への配慮やエリア分け
・最低限のしつけやトレーニングの必要性
・衛生面や安全面の配慮(トイレやサークルの設置など)
・交通機関(駐車場の確保・通勤時間の柔軟性)
・相性が悪いわんこ同士への配慮・エリア分け
おでかけわんこ部フォロワー様向けアンケートでもこのような意見がありました。ごく一部を紹介します。
決まった時間に目薬が必要なので働きながら出来るのは有り難い。他のわんこちゃんたちとの相性の問題もある。
アレルギーや動物が嫌いな人とのフロア分けが必要になるのかなと思います。
ずっと一緒にいられることはもちろん、災害時もそばにいることができるので安心。
仕事中にペットだけで楽しめるスペースが必要!
アンケートにご協力いただきました飼い主様、貴重なご意見ありがとうございました。
それぞれのオフィスで意見交換・見直しの繰り返しが必要
ペットがオフィスにいることでメリットや嬉しいポイントはいっぱいありますね。かけがえのない愛犬との時間をより長く一緒に過ごせることや、社内のコミュニケーションが活発になることは大きなメリットだと感じます。
個人的にも私の愛犬がシニア期に入り「いつでも様子が確認できて、いざとなった時にはすぐに病院に連れて行ける環境は安心」だと感じました。
ただ一方でアレルギーをお持ちの方や動物嫌いの方への配慮も大切です。また大切なペットにとってストレスの方が大きなオフィスであれば本末転倒です。
取材した2社に共通する点は、スタッフさん同士での意見交換や随時の見直し・改良がスムーズに行われているという点です。定期的に問題点や課題点などを洗い出しどのようにすれば人にもペットにも最良なのかをそれぞれのオフィスで意見を出し合うことでそれぞれのオフィスにあったルールや環境づくりが整っていくと感じました。
日本でも良い形でドッグフレンドリーオフィスが増えると良いなぁと感じた取材でした!!