こんにちは!おでかけわんこ部特別部員・犬の管理栄養士のむっちーです。
飼い主さんの中には、手作り食に挑戦してみたいけれど踏み切れないという人もいるのではないでしょうか。
「手作りごはんだと栄養バランスが心配」
「カロリー計算が難しそう」
「どの食材が犬にとっていいのかわからない」
でも実は、基本さえ押さえていれば、手作り食はとーっても簡単なんです。
この記事では基本的なルールや使ってはいけないNG食材、そして量の決め方についてご紹介します♪
私が手作り食をはじめた理由
手作り食をはじめたのは、我が家の愛犬・とらじがフードをまったく食べてくれなかったからでした。成長期だというのに体重が減ってしまい、獣医さんに怒られる始末…。
なんとか食べてくれるフードを探して、いわゆるフードジプシー状態でした。
そこでたどり着いたのが犬の手作り食。けれども勉強するほど、さまざまな考えのあることがわかり、今度はまさかの手作り食ジプシーに。
そんな私が、紆余曲折してたどり着いた結論はこれ。
わんこのごはんに正解はない!
すべての人に合う健康法がないのと同じように、他の犬たちにぴったりの方法が愛犬に合うとは限りません。
うちの子ごはんの正解は、愛犬と毎日一緒に暮らす飼い主さんにしかわからないんですよね。
つまり、基本のルールさえ抑えておけば、うちの子ごはんの正解は自分で決めてOK!
手作り食だって気軽にはじめちゃえばいいのです。
実はカンタン・愛犬のための手作り食
手作り食をハードルが高いと感じる原因のひとつに、SNSで見る写真のイメージもあると思います。
たとえば、上の写真は今回わたしがレシピを紹介しようと思っている基本のおじや。
え?いきなりネタバレするワンか?
撮影用に盛り付けているので、どんな食材をどのくらい使っているのかもわかりやすいですよね。
でも普段のおじやはこんな感じ。見た目はまーったく気にしていません!
ぐちゃぐちゃで見た目はヒドイけど、食べやすくてサイコー!
褒められている気がしないけど…こんな感じでOKです!11歳のとらじは消化力が落ちてきたので、野菜は細かくカットしてあげています。
「細かく」と「ぐちゃぐちゃ」は違うんじゃ…
いいの、いいの。お腹に入ったら、どうせいっしょ♪
どうでしょう?手作り食へのハードルが一気に低く…地面スレスレぐらいまで下がったのではないでしょうか?
これだけおさえればOK!犬の手作り食3つのルール
犬の手作り食は、これから説明する3つのルールを守ればOKです♪ぜひ、気軽にはじめてみてください。
(1)基本の比率と調理法を知っておく
犬の手作り食の比率は、タンパク源・脂質源(肉や魚)40〜60%、ビタミン・ミネラル源(野菜など)と主食(ごはんやうどんなど炭水化物)をそれぞれ20〜30%が目安。
ベストの比率は、愛犬の様子をみながら決めて構いませんし、毎食同じにする必要もありません。
1週間でトータルしてなんとなくバランスが取れていれば大丈夫です。
ただし、わんこは基本肉食なので、タンパク質の割合が三分の一以下にならないようにしましょう。
(2)NG食材を使わない
自由度が高い犬の手作り食ですが、ひとつだけ注意しなければいけないことがあります。それは人間には問題のない食材でも、犬にとっては有害なものがあるということです。
手作り食をつくる時には、犬にとって危険なNG食材をしっかり把握しておきましょう!
■NG食材・ネギ類やニラ
ネギ類はわんこには有害です。少量でも中毒を引き起こす可能性があるので気を付けましょう。
■NG食材・とうがらしなど刺激の強いもの
胃腸を刺激して下痢を誘発したり、肝臓や腎臓への負担がかかります。
■NG食材・加熱した鳥の骨など
加熱した鶏の骨は縦に割れることがあり、消化器に刺さるなどの心配があります。
また鯛など硬めの魚の骨は取り除くか、骨が柔らかくなるまで加熱してください。
■NG食材・チョコレートやココア・カフェイン・キシリトール・アルコールなど
カカオに含まれるテオブロミンはわんこには強い毒性があります。重篤な症状を引き起こすこともあるので、絶対に与えないようにしてください。
また、お茶やコーヒーに含まれるカフェインも、わんこにはNG。
アルコールやガムなどに含まれるキシリトールも、命にかかわる危険があるため決して与えないようにしましょう。
(3)味付けはなし
軽く味付けをするレシピもありますが、基本は味付けなしでOKです。素材のおいしさを味わってもらいましょう。
犬の手作り食の分量は?
犬の手作り食で不安なことに、どのくらいの量をあげたらいいのかわからないという声があります。
基本は犬の頭のおはちと同じくらいです。
新しい帽子ずいぶん重たいと思ったら、この説明用の写真だったワンか!
わんこのごはんの量も、個体差があるので「このくらいかな〜」って感じで大丈夫です。正解はわんこの数だけあるので、排泄物の状態や体重の変化をみて調整しましょう。
基本の愛犬用手作りおじやのレシピ
材料
ごはん
鶏ムネ肉(豚でも牛でもOK)
冷蔵庫にある野菜
クコの実(なくてもOK)
すりごま(なくてもOK)
材料からして適当すぎるワン。レシピもカンタンすぎて怒られないかなぁ…
わんこのお口に合わせて食べやすい大きさにカットしましょう
お腹の弱い子やシニア犬さんは、みじん切りにしたり、フードプロセッサーにかけるのもオススメ
おなかが弱いわんこは長めに煮込んであげるとgood!
トッピングはなくても構いません
熱すぎると食べられないから、人肌に冷ましてから食べさせてなんだワン。
実は、基本のおじやに決まりはありません。その日に冷蔵庫の中にあるものを使っちゃえばいいのです。
ちなみに我が家は、みそ汁や煮物など人間の献立用の食材を、調理前に取り分けておじやにしています。
とらじと同じものを食べているとあぁ家族なんだなぁとしみじみとします。
おじやはアレンジも自由自在の無敵メニュー!
犬の手作り食には、煮る・焼く・炒める・生・固めるなどさまざまなレシピがあります。今回の基本のおじやをアレンジするだけでも、レシピのバリエーションは無限大に広がりますよ。
- トマトやヤギミルクを加えてリゾット
- とろみをつけてあんかけ雑炊
- ごはんをパスタに変えてスープパスタ
- 主食に変化をつけて煮込みうどん
うどんやパスタって、それもうおじやのレシピじゃないと思うワン…
フードと手作り食、どっちもオススメ!
よく「手作り食とドッグフードはどちらがよいのか」と話題になりますが、私はどちらでもよいと思います。それぞれにメリットとデメリットはありますが、わんこが喜んで食べて元気に過ごせていると飼い主さんが感じるのならそれが正解だからです。
とらじは今では、手作り食もドッグフードも両方食べています。よく手作りするとフードを食べなくなると心配する飼い主さんもいらっしゃいますが、とらじは手作り食にしてからフードも食べるようになりました。
ちなみに、フードにトッピングすると両方たべません。
トッピングごとフードの入ったお皿をバーン!とひっくり返します(汗;)
白飯が汚れるのはイヤ!ってタイプの人とは、仲良くなれそうだワン
こんな所でも、わんこの個性が出ておもしろいですね!
気軽に犬の手作り食を始めてみよう
手作り食だと栄養バランスが心配という飼い主さんもいるかもしれませんが、大丈夫!私たちだって毎食のごはんの時に、栄養素を考えて厳密に計算して食べていないですよね?
でも、毎日それなりに元気に過ごしています。そしてなにより、おいしいものを食べると幸せな気分でパワーが出てきて、なんだか免疫力もあがる気がします。
それは、わんこも同じこと。
まずはトッピングだけ・週末だけと気軽な気持ちで、手作り食を試してみませんか?
※食材によってはわんこの体に合わないこともあります。はじめての食材は少量から様子をみながら与えてくださいね